出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律(平成30年法律第102号)により、中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とした、在留資格「特定技能」が創設されました。
生産性向上や国内人材確保のための取組(女性・高齢者のほか、各種の事情により就職に困難を来している者等の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善等を含む。)を行った上で、なお、人材を確保することが困難な状況にあるため、外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野を「特定産業分野」といい、以下の14分野が指定されています。
①介護 ②ビルクリーニング ③素形材産業 ④産業機械製造業 ⑤電気・電子情報関連産業 ⑥建設
⑦造船・舶用工業 ⑧自動車整備 ⑨航空 ⑩宿泊 ⑪農業 ⑫漁業 ⑬飲食料品製造業 ⑭外食業
※特定技能1号は14分野で受入れ可能。特定技能2号は2分野(⑥建設、⑦造船・舶用工業)のみで受入れ可能。
※特定産業分野(14分野)については、各所管省庁等によって分野別に運用方針・運用要領が定められています。分野別運用方針・運用要領に加え、分野別の協議会や試験に関する情報、説明会資料等の情報は各所管省庁のホームページで確認できます。
【特定技能1号】「特定産業分野」に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、特定技能1号のポイントは以下の通りです。
・在留期間:1年,6ヶ月又は4ヶ月ごとの更新,通算で上限5年まで
・技能水準:試験等で確認。技能実習2号を修了した外国人は試験等免除
・日本語能力:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認。技能実習2号を修了した外国人は免除
・家族の帯同:基本的に認めない
・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象
【特定技能2号】「特定産業分野」に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格で、特定技能2号のポイントは以下の通りです。
・在留期間:3年,1年又は6ヶ月ごとの更新
・技能水準:試験等で確認
・日本語能力水準:試験等での確認不要
・家族の帯同:要件を満たせば可能
・受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外
受入れ機関(特定技能所属機関)とは、特定技能外国人と直接雇用契約を結び、実際に受入れをおこなう企業・個人事業主等のことを指します。特定技能雇用契約では,外国人の報酬額が日本人と同等以上であることなど、以下の基準に適合することが求められます。
1.外国人を受け入れるための基準
①外国人と結ぶ雇用契約(特定技能雇用契約)が適切であること(例:報酬額が日本人と同等以上)
②受入れ機関自体が適切であること(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
③外国人を支援する体制があること(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
④外国人を支援する計画が適切であること(例:生活オリエンテーション等を含む)
2.受入れ機関の義務
①外国人と結んだ雇用契約を確実に履行すること(例:報酬を適切に支払う)
②外国人への支援を適切に実施すること(支援については,登録支援機関に委託も可)
③出入国在留管理庁への各種届出を行うこと。
(注)2.①~2.③を怠ると外国人を受け入れられなくなるほか、出入国在留管理庁から指導、改善命令等を受けることがあります。
登録支援機関とは、 特定技能1号外国人が安定的・円滑な活動を行うことができるようにするための日常生活上、職業生活上又は社会生活上の支援を、受入れ機関からの委託を受け、受入れ機関に代わって実施する企業・団体・個人のことです。特定技能1号外国人に対して、生活ガイダンス、日本語の習得支援、相談・苦情対応、各種行政手続の情報提供等の支援を実施します。※特定技能2号外国人への支援は義務ではありません。
1.登録支援機関の登録を受けるための基準
① 機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
② 外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
2.登録支援機関の義務
① 外国人への支援を適切に実施
② 出入国在留管理庁への各種届出
(注)2.-①、2.-②を怠ると登録を取り消されることがある。
特定産業分野「介護」については下記URLをご参照下さい。
厚生労働省ホームページ
【介護分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」)について】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html
特定産業分野「ビルクリーニング」については下記URLをご参照下さい。
厚生労働省ホームページ
【ビルクリーニング分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」について)】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09221.html
特定産業分野「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」については下記URLをご参照下さい。
経済産業省ホームページ
【外国人材(製造業)】
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/gaikokujinzai/index.html
特定産業分野「建設」については下記URLをご参照下さい。
国土交通省ホームページ
【建設分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」)】 国交省
http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/totikensangyo_const_tk2_000118.html
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